崩れないクラスをつくる。

空は夜明け前が一番暗い。壁に当たっても前へ!

小学校の先生に向けに学級経営のポイントを紹介します。

負のエネルギーを貯める。学級経営の重要ポイント 叱る。 その3


空は夜明け前が一番暗い。 壁にあったっても前へ!
 叱るという行動をあえて取らないという主義の先生がいて時々お話を伺うことがあります。
「子ども達が自分でよくないと気づくように仕向け、気づくまで寄り添って待つことを信条にしている。叱るのではなくもっと心に寄り添った叱る以外の対応がある」
とおっしゃいます。理想的な教育論だと夢のように聴き入ってしまいますが、ふと我にかえり現実を見ると、あまりにもかけ離れたユートピアのような話だなと思います。さらにあえていうときれい事だと思います。そんな甘いものではないし、子ども達はそこまで賢くはないし、成熟してはいません。それは子どもにとってもいい先生とは言えないと思います。

未熟な子ども達は殆どが考えて行動できません。もっと刹那的に生きています。

思春期に入ると大人の理不尽さやずるさを見たり、努力しても報われない現実に直面します。そして自分の善悪の物差しや価値観や生きていく表現方法を塗り替えようとします。自分のボディイメージをあげたいと思い、迷いながら試行錯誤している真っ只中にいます。

ですから経験値では圧倒的に勝っている大人には、失敗して叱られた後の子どもがへこたれずに生きることを支えていく責任があります。だからこそ叱る。その上で叱りっぱなしにしないで最後まで見守ることがより大事なことはいうまでもありません。

ここで、子どもが一人ではなく集団で徒党を組むようになる危機的な状況を想定して考えたいと思います。

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 1. HとYの事例
Hが受けた叱り方
Hの担任の先生はよくない行動に対し「今度やったら親に電話する」と脅すような間違った叱り方をしている。「どうせ言わないくせに」ともやもやと反抗するH。
その反面「これをやったら叱られるか大丈夫か」と迷いながら先生の顔色をうかがっている。
先生はいつも「親に言うからな」と正面から向き合っては叱らない。
彼の中では直接向き合わない先生は卑怯だと認識する。
あれこんな程度かい。なんだ大したことないな。」
Yが受けた叱り方
隣のクラスでも同じようによくない行動をするYがいる。
Yの担任の先生は「姉ちゃんは真面目なのになぜこんなことするんだ。」と人と比べて嫌味を言う間違った叱り方をする。
Yは自分の行動の善悪と向き合わず嫌な言い方だけが残る。
「俺が嫌いなんだ。別にどーでもいいんだ。先生大したことないな。」

 HとY、それぞれのクラスで本人と向き合わず、しかも違ったニュアンスで指導し叱り方に差があると、そこにつけ込みお互いに気分が悪いと共感し負のエネルギーを貯めます。

2.  HとYに組みするT

ここにいつもは真面目に取り組んでいるTが半分だけ入ってきます。
たまたまひょんなことで先生の言動に疑問を感じ反抗的な言動をする。
同じクラスのYは色めき立ち囃し立てTをかばい応援する。
このことをクラスの違うHにこんなことがあったんだぜと得意げに話す。
そしてある日YはHを誘い「集会サボろうぜ」などと誘いドキドキしながら決行する。Yに妙な恩義を感じたTも知らんぷりして助ける。

 HやYのような子は斜に構えて先生の一挙一動にちょっとずつ反抗心を育ててきています。自分を否定する親たちと同類の大人の代表者として先生を見るようになります。周りのよく似た子と共に先生批判のような悪口やからかいが日常茶飯事になると気持ちが荒れた子ども達同士の中で変な競い合いが起こります。

俺は2時間目こんなことしてやった。先生あたふたしてたぜ。
俺は朝からふて寝して休み時間には騒いでる。先生もう少しでキレるな。

 とどんどんとカッコよく先生を乗り越えていくのです。また叱らない先生を大したことないと思っている子は毎日増えてくるので、仲間を増やそうと水面下で多くの子に声がかかります。悪態の回数は増し加速度をつけて大きな問題行動に発展します。

3.    どうしたらよかったのか

このような状態にならないよう各クラスの中で一人のうちにその子を掌握し、褒める叱るをうまくコントロールすることが大切です。よくないエネルギーを増大させないように寄り添いながら叱る。その子のいいところも伝え元気づけ先生自身が積極的にその子の家庭の背景を知り、行動に対して正々堂々と叱ります。決して機嫌を取らずストレートかつシンプルに。

また先生同士話し合い、クラスの状態を開示しあい、真っ向勝負で立ち向かうことを決めます。暴言・脅し・嫌味・おべんちゃらは厳禁です。一人の弱い人間の行動に至る気持ちは共有し、善悪のジャッジをすることが大事です。「君は次もやらかすかもしれないがその時も叱るからな。頑張れよ。」と。そしてもし子どもが怖くて強く叱れない先生が仲間にいたら補い合うことです。明るく強固な絆で結ばれた先生集団を作るのです。

先生集団は結束が高い、本気だ。

と思わせることができるまで励ましあって。

先のような集会の集団サボりは学年の問題です。同学年の子ども達が見ています。だから学年全員の先生でサボった子ども達を囲み厳しく叱る場が必要です。子どもたちが怖いと言う先生も囲みます。一人も欠けてはダメです。同じ方向性でかつ強い指導を素早く同時に行う方が効果があります。体罰や脅しや嫌味なしでどこまで勝負できるか先生の腕の見せ所です。
学校には君たちが乗り越えられない高い枠がある。
その枠を乗り越えたらどうなるのか。

 その先を教えないといけません。問題行動は荒れてきたら何度か出てきます。子ども達との戦いではなく、子ども達の体の中の甘えと弱さとの戦いなのです。それを伝えたらいいと思います。

「先生達は君らと戦ってるんじゃない。君らの体の中の甘えと戦ってるんだ」
先生集団の中に、冒頭で述べた
「叱るのやめときましょう。子どもを信じて待ちましょう」
と言う先生が一人いたらこのミッションは崩れてしまうのです。
 
 

 

 

 

 

 

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