崩れないクラスをつくる。

空は夜明け前が一番暗い。壁に当たっても前へ!

小学校の先生に向けに学級経営のポイントを紹介します。

うちのクラスではケンカが絶えない!


空は夜明け前が一番暗い。 壁にあったっても前へ!

クラスでも揉め事やケンカが絶えないと悩む先生は実に多いです。原因はとても些細なこと。でもエスカレートすると瞬く間に暴言が飛び出します。

ケンカは成長の過程です。言いたいことを言わずただ我慢するのではなく、腹が立ったらそのことを伝えたらいいのですが、未熟な子ども達はうまく伝えられません。

大人になっても職場や家庭で自分の気持ちがうまく伝えられず頭を抱えながら生活し、憂さ晴らしでごまかしたりして生きている人はとても多いです。

子ども達の未来のためにもケンカが絶えないクラスの取り組みを考えましょう。

 どうしたらクラスのケンカが減るか。

1.   ケンカの様子を見て分析する

クラスには、挑発する子どもとからかわれやすい子どもが多くの形を変えて存在しています。また時々挑発もするしからかわれもするどっちにもなる子どももいます。また冗談を理解しづらいタイプの子で小さいちょっかいをうまく受け流せない子もいます。このような子は挑発される可能性が高いです。

トラブルは「きもい」「うざい」「だまれ」「死ね」などの挑発する言葉から始まりお互いを傷つけ合っていきます。相手を負かすために必死になってより傷つける言葉を探し声は大きくなり悪循環となります。最後はどちらかが手を出して周りが気づくこととなり騒ぎになります。

「センセー!!大変!!」という時はすでにどちらかあるいは両方が興奮していて、最悪には怪我をしていたり、物が投げられていたり、壊れていたりします。

ことの発端はこの「きもい」「うざい」「だまれ」「死ね」などの挑発する言葉から始まります。イライラした時に子どもたちの発するこのような言葉は、ある程度「くせ」のようになっています。テレビやゲーム、SNSでも当然このような言葉に出合っています。もしかしたら家庭で兄弟や親から頻繁に言われているかもしれません。前の学級で指導されずに平気で発するようになってしまったかもしれません。

まず、けんかが起こった一番初めの日の翌日に全員に指導すること大切です。

2.   ちくちく言葉とふわふわ言葉を意識させる授業を行う

トラブルの一つ一つを解決するのに授業をつぶすことはできません。丁寧に対処すればするほど授業が遅れ、評価のために学期末に詰め込み学習をして1日に何時間もテストをする日が出てきたりすると、支援が必要な子どもにとっては多大な負担をかけます。最小限の時間でこの状況を解決するためには、授業で「自分たちが発する言葉」について考えさせることが効果的です。けんかが起こった一番初めの日の翌日に行いましょう。

T: 昨日のようなことはこれからもこのクラスで起きると思います。そこで今日は「言葉」についての授業をします。この授業のことを1年間絶対に忘れないでほしいです。

T: 今まで、友達に言われて嫌だった言葉、傷ついた言葉をあげてみましょう。

C: だまれとかうざいとか

C:    消えろ どっか行け 

このようにいろいろ出てきます。

T: これを言われ続けたらどうなる?

C: ケンカになる

C: 学校に行きたくなくなる

C: 言った人を嫌いになる

気持ちを共有してそれらを全て板書しみんなで読み、嫌な気持ちになる、心がちくちくする言葉として「ちくちく言葉」と名付けます。

次に

T: 言われて嬉しかった言葉はありますか

C: やさしいねとかありがとう

C: ごめんね

C: ドンマイ

C: 大丈夫?

このように出てきます。これらを「ふわふわ言葉」と名付け反対側に板書します。

このように自分が言われたらどのような気持ちになるかを確認して2つに分けます。

そして宣言します。

T: これからこのクラスでは「ちくちく言葉」を禁止します。

先生が絶対に許さないと言う強い気持ちで語りかければ、一応クラスの価値観が生まれ言葉が線引きされます。

もちろんこれだけではなくなりません。禁止をしても子どもたちはすぐにはできません。これからが勝負です。

3.  ちくちく言葉が癖になっている子どもを「悪者」にしない

宣言したからには、先生は授業中でも見逃しては行けません。ちくちく言葉は次の日にも出現します。

例えばちょっとおどけてみせた子に

「なに言ってんの。うざ。」とか

ちょっと体に肩がぶつかった子に

「よってくるな。どっか行け。」

などと口汚く言っています。

聞こえたらすぐに黒板の端に「何言ってるの。うざ。」「近寄ってくるな。どっか行け。」書き、皆に問いかけます。

T: この「ちくちく言葉」を「ふわふわ言葉」に変えてみようか。

子どもたちは

C: 「ごめーん。そういうのあんまり面白くないよー。」って笑顔でいう。

C: 「ごめん。肩が当たったよ。気をつけてね。」

などと答えます。そして黒板のちくちく言葉を書き換えます。つい言った本人にはこの書き換えた言葉を音読させてその後すぐに消します。

黒板に書くのが有効なのは理由があります。耳だけで聞くより、視覚化するといかに汚い言葉かが分かります。聴覚知覚に困難を持っている子どもにはわかりやすいのです。またもし発達障害のある子であった場合、客観的に自分を振り返ることが苦手なので視覚化された文字によって自分の言葉を振り返ることができます。

これを繰り返していくうちにちくちく言葉は減ってきます。

この方法は全体に指導でき、当事者以外の子も学びます。要するについ言ってしまった子どもを「悪物」にしない配慮をすることです。誰にもちくちく言葉を発することは今後出てくるわけですから。ただし自分の言葉を黒板に書かれるのはプレッシャーには違いありません。ですがガミガミ叱られるよりは本人が納得しやすいのです。

ちくちく言葉が切り離せない子の個別指導

子どもたちは自分のイライラをうまく表現できないためについちくちく言葉を使ってしまいます。自分の気持ちを言語化できないのです。特になかなかちくちく言葉とおさらばできない子には次のように言語化を試みるのも一つです。

「うざ。どっかいけよ。」といったA君に

T: 今の言葉を違う言葉に変えて文章にしなさい。

と言います。そして5W1Hを聞き出し手伝います。すると次のような文が出来上がります。

「B君が僕の机のそばを通った時に僕の体操服が落ちました。僕は腹が立って『B君、今すぐどこか遠いところへ行ってください』と言いました。」

この作業はA君の気持ちのクールダウンにもなります。先生も場の状況がわかりますしそんな気持ちになったことに少し共感ができます。

その文章を音読させてもいいですし、「これを君が友達に言われたらどんな気持ちになる?」と尋ねてみてもいいでしょう。そしてA君がその答えを言わなくても、A君の抑止力にはなるでしょう。

「ちくちく箱」設置

教室の隅に「ちくちく箱」を用意します。そしてちくちく言葉を聞いたら用意していた画用紙の短冊にマジックで書き、それをみんなの前で憎々しげにビリビリと破ります。皆はドッと笑いますが先生は真剣。先生のちくちく撲滅の気持ちをしっかりと目に焼き付けてくれます。これは子どもたちにやらせては行けません。ふざけてエスカレートするに決まっています。先生だけの特権にしましょう。

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終わりに

以外が言葉をなくすのはそう容易ではありませんが根気強く続けると効果がじわじわ出てきます。そのほかにも「ちくちく言葉」を「ふわふわ言葉」に変えて話せたら幸せになれる例え話をたくさんしてあげましょう。そして我々大人も襟を正し気をつけたいものです。