「不登校になってはいないが、とにかく息子6年、ゲームに心も体も取り憑かれたようになっている」と嘆くあるお母さんと話をしました。
息子はトオル(仮名)君。学校では鬼ごっこが大好きで活発だが、基本は外出が苦手で家にいることが多い。お母さんはシングルで働いている間何かがあってはならないと家で遊ぶようにしつけた。中学生の姉がいる。お母さんはとても物分かりの良い滅多に叱らない人。
トオルのある1日は次のとおり。この日お母さんはたまたまお休みを取っていて久しぶりのトオルくんの生活を観察することとなったのです。
3:40 学校から帰宅。
3:45 動画を見る。
3:50 習い事のテニスに行く準備をする。
「今日雨だからヤッケ着て行ってね」
「このくらいの雨だったら、ヤッケ暑いからいらない」
「ダメダメ風邪引くから」
「大丈夫。シャワーするから」
「えー・・・・・・」
自転車で出かける。
5:15 ビショビショになって帰宅。シャワー。
5:30 動画 ゲーム
7:30 夕食
7:50 早々と夕食を終え友達とオンラインゲーム
10:00 自分から友達に「終了!バイバイ」と言ってアイスを食べて寝る準備をする。
10:30 「おかあさん。明日5時に起こして。塾の宿題やってないから。」
「はいはいわかりました。頑張って起きてね」
「一応アラームかけてるよ。おやすみ」
塾は6年から行き出した。学校の宿題は最近朝やっている。これに関しては本人に任せているらしい。
翌朝・・・・・・・・
4:00 6年になって買ってあげたスマホのアラームが鳴る。起きるつもりでセットしたのに起きるそぶりはない。
5:00 再度アラームが鳴る。起きる気配がないので母は起こす。するとすぐゲーム動画の音が聞こえる。
5:10 動画の音が消え静かになる。学校の宿題をやっている。20分で終了。ここから30分ゲームをする。
6:00 そろそろ塾の宿題をしてほしいと思い母は朝ご飯ですよと伝える。朝ご飯にミニトマトを出しているが残っている。最近毎日残している。
「トマト食べなよ」
「そのトマトすっぱい。甘くないからやだ。」
「食べなさい!」
6:10 トマトは残したまま他は食べてまたゲームをする。
7:40 身支度をし学校の用意をする。鉛筆を削る間動画を見ている。
7:50 「塾の宿題いつやるの?帰ってやるの?」
「うん。」
「あ、そうなの。」
「なにかわすれものないかなあ」
「ハンカチは?」
「そうだった!忘れるとこだった。・・・・・・なーんてね。ちゃんともってるよー。お母さんを試してみただけー」
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
結局塾の宿題はしなかった。
3:40 帰宅。塾の時間まで100分ある。塾に行くまでギリギリ間に合った。
お母さんはこんなので良いわけないと嘆いています。
しかし5年生ごろから徐々にこちらの論理を否定し「僕はちゃんと考えているから大丈夫」といって生活を変えてきたということです。
宿題をしてから遊ぶ。だったのが、宿題は寝る前までにすませる。に変わり今は朝するようになってしまった事に危機感を持たれています。この調子で行くと寝る時間がずるずると遅くなってくるのではないか・・・・・と。
私はこのお母さんは次のような点が素晴らしいと思っています。
・トオルくんのの決めた行動を否定せず信じて任せながらも見守っている。
・トオルくんの決めた行動を助けている。(5時起床。食事のタイミングを調整。)
ちょっと気になるトマトの件でもこのお母さんなら工夫をして料理されているような気がします。子育てに対して大変前向きですが決してガミガミ言わないところがお見事です。
子どもとゲームについては
・親がゲームを毛嫌いした時点で子どもは心を閉ざす。
・親がゲームと成績を関連づけて注意すると逆効果。
・思春期にはゲームの約束事は子ども主体で決める。
・子どもが遊んでいるゲームの内容を把握しておく。
・ゲーム上手はクラスのヒーロー
・ゲームをし続けることで試行錯誤と挑戦ができるようになる。
・ゲームが今の子どもの共通言語
・ゲームでは会えない友達と話せるし続けることでコミュニケーションの力がのびる。
・子どもはゲームに今は熱中せざるをえない理由がある。
・うまく寄り添えば卒業の時が来る。
・ゲーム開始と終了ができなくなることが長期間続いたら問題。
・オンラインにするときは親に今からすると伝える。
・課金する場合は親の許可制。課金で何をしようとしているかを知らせるルールを作る。その上でお小遣いでの課金は制限する。お誕生日クリスマスなどにプレゼントで課金はあり。
このことについてはその2で説明します。