今、学校の先生たちは「早く遅れを取り戻せねば」と追い立てられるような日々を送っています。
教育課程はコロナ前と状況は変わっておらず、プラスして膨大なコロナ対策作業がのしかかっています。保護者対応や子どもたちのトラブルは違った様相を見せながらも歴然と存在しています。
その前でさえ過飽和状態だった先生の仕事をなんとか減らせないものなのでしょうか。そうでないと彼らは心も体も潰れてしまいます。
壊れてしまいそうな先生方のこれからを思い、文科省から降りてきた多くのメッセージの中から次の2つを見てみました。
2020・4・30 中央教育審議会初等中等教育分科会・新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会*全国の学校教育関係者に対するメッセージ
このメッセージの中で、コロナ収束後の学校でも誰一人取り残さない個別最適化された学びの実現のため、各自治体でICTの設備を確実に進め、指導体制を充実(教職員 専門職のの学校サポーターが学校を支えるなど)し子どもたちの学び合う場を確保することが重要だとしています。
2020・5・15 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等 の実施における「学びの保障」の方向性等について(通知)
この「通知」では、工夫しても年度当初に予定していた指導を年度中に終えることが困難な場合、教育課程を見通して検討を行い、学習指導要領で指導する学年が規定されている内容を含め、次学年又は次々学年に移して教育課程を編成するとしています。ただし、進学を控える最終学年は今年度中に終えるという方針ではあるようです。それ以外は「先送りしていい」と文科省は言っています。
ただでさえ忙しい先生たちに新しい「教えるべき事」がここ10年間で 特別の教科道徳 外国語 ICT プログラミング教育・・・とじわじわとしかし確実に導入されてきました。
また近年の各自治体の教育委員会では「学力向上」を旗印を上げに必死になって指導法の改善や教科指導の質を上げる努力をしてきました。管理職の先生たちがこのことに相当プレッシャーを感じてきたのは事実です。当然現場の先生方にも圧力がかかりその研究に時間を割いてきたわけです。
頭の中に今も「学力向上」の4文字が離れないはず。「早く漢字を。計算力を。資料活用力を。アクティブラーニング・・・」先生方が仕事に熱心で誠実な方であればあるほど悲壮感を強くもっているはずです。
ですからぜひお願いしたい。次の4点について学校の先生方に届くようどこからでもいいので手を差し伸べて欲しいのです。
- 各学年の教育課程を減らす具体案を示して欲しいです。次学年に移して教育課程を編成と言うならばここ2、3年はそれに向き合わねばなりません。
- 「個別最適化された学びの実現」とは何を意味するのか。現場の先生には届いていません。新しいこの言葉は教育コラムでよく見かけますが統一感がないように思います。わかりやすく示して欲しいです。
- ICTの設備のシステム・安全なネット環境のめどは立っているのでしょうか。またかかる費用はどうするのでしょうか。周りのどこを見てもスタートできる状態ではありません。
- 指導体制を充実するための費用はどうするのか。今後に向けてソーシャルディスタンスを保つなら20人学級にしたい。日々のノートの量もテストの量も減りゆとりが生まれ子どもたちと向き合うことができます。でも今までの倍の数の先生が必要です。そこにメス入れられますか?英断を!
子ども達にとって学校は一番楽しい有意義な場所でなくてはならない。
そして大人達の働く職場・組織も二番目に(一番目は家庭かな?)楽しく有意義 な場所でなくてはなりません。
先生方の心と体のゆとりは可愛い子ども達に大きな影響を与えます。
子ども達の健やかな成長のために、先生方の仕事を効果的に整理し簡素化して再構築することを望みます。